令和4年度「職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進」
(ⅰ)社会的評価の一層の向上のための共通的基盤整備の推進
事業実施の成果目標

令和4年度

 現在の専修学校の質保証・向上の取組は、自己点検・評価と学校関係者による学校評価、及びそれらの評価結果を含む情報公開により行われている。自己・点検評価は、文部科学省から自己点検・評価表が例示されるなど、評価項目は一定程度が共通化されているものの、それらの項目の評価基準は学校によって異なり、同一の評価がなされているとは言い難い。
 本事業では、現在各校にて実施されている自己点検・評価の結果を相互に検証し、共通的評価基準モデルを開発する。共通的評価基準モデルの開発にあたって、専門学校が地域密着型の高等教育機関という特色があることに留意し、首都圏のみならず、地方の専門学校にも協力を要請しオールジャパンの専門学校で取り組むこととする。
 また、専修学校の第三者評価を実施している認証機関についても、それぞれの認証機関が実施している評価等の情報を整理し、その特徴を明らかにしたうえで、各校が柔軟に取り入れ、教育改善・充実を進めるとともに、学生・保護者、そして産業界に積極的に情報を公表することにより説明責任を果たすことを目指す。
 本事業の取り組みは、専門学校の質保証・向上の推進を目指すものであり、継続的にPDCAサイクルを回し続け、その内容を充実・普及させることが重要である。このため本事業を継続していくために必要な要件を整理し、その要件を満たすための運用体制の整備も射程に含める。
 理想的なモデルを提示しても運用面で課題が散見される実態は、専修学校に限らず高等教育全体の質保証の課題であり、この点は「専修学校における学校評価ガイドライン」(H25)や過去に行われた自己点検や学校評価に関する報告書においても指摘されている。評価のための評価でなく、実質的な学校運営の課題や更なる教育改善につなげていくための方法論の提示が重要になる。そのため体制の整備に当たっては、首都圏の学校のみならず、地方の専門学校も、また大規模校だけでなく人手の少ない中小規模の学校にも積極的に参加、協力いただけるよう留意する。