ガイドラインの作成方針
これまでに得ている知見・指摘及び課題とガイドラインにおける対応
ガイドライン作成にあたっては、以下の項目や観点をベースに作成する。
【産学連携によるカリキュラムのあり方】
観点
学校側より、受け入れ病院側に対して、次のような趣旨を説明することで、学習者が実務体験し、学内で修学した知識と技能を総合的に経験学習する病院実習(インターンシップ) の目的や概要を理解したうえで、医療機関側が、受け入れ体制、指導体制等を整備していただくようすすめる。
学校側が学習時期による学内学習内容との関係性を十分踏まえた上で、産学連携による実習・演習の学習目的と目標を明確して提示できるものとする。 医療機関内において教育等専門的な経験がない中で適切な指導・助言が職務中に行うことができるように、指導者と学習者の合意が容易に可能な形式として、学習内容・スキルと学習目標を図式化する。
学習者に対して、必要な技能を習得させるため、学習到達に応じた実習の必要性について定める。実習の時期により、例えば、キャリア形成上の啓発的経験とした体験、 基礎的汎用的な能力としてコミュニケーション能力等の実践、医療事務の専門的学習内容の定着化等を目的とした演習、実際の総合実務能力として課題解決型学習等を想定する。
想定される支援ツール
医療機関対象病院実習受け入れガイドブック(手順書・チェックリスト含む)
医療機関対象病院実習カリキュラム・シラバス
医療機関対象目的別実習学習評価基準モデル(医療機関で行う実習の評価を行う際の基準モデル)
【企業と学校の連携にかかる留意点】
観点
受け入れ病院側に対して何らかメリットが得られるような配慮する。
双方の意見を聞き取りながら、地域性、病院規模、専門性などにより医療機関との連携方法、学習内容等を類型化して、ガイドラインのバリエーションを作るか、地域性、病院規模、専門性などを考慮して、最も現状の専門学校教育において網羅的に対応できるよう考慮する。
病院内で発生する課題に対して、実習者が能動的な行動・態度を院内ルール・理念の中で行うことができるか、そのための思考プロセスを学習できるよう振り返りによる機会を考慮する。
想定されるパターンとして、以下のように考えている。
『体験型(数日から1週間程度)』、『業務補助型(1週間から2週間程度)』、『業務参画型(2週間から4週間程度)』の目的別に以下の内容を整理する。
事前学習
1. 実習の目的・目標の確認
2. 事前学習内容の確認と実習期間中の確認事項実習期間中
1. 実習中の手帳・メモ帳による即時学習
2. 実習日誌による自己と医療機関指導責任者の相互省察
3. 実習日誌およびヒアリングによる学校指導者からのメンタリング事後学習(実習終了後)
1. 総括のための報告書作成
2. 発表会による相互学習
想定される支援ツール
病院実習事例マップ
学校・病院・実習者の情報共有するツール
実習内で想定されるトラブルシューティング集
【学習前後における教育の留意点】
観点
事前教育として、専門的知識・技能以上に、医療機関という生命に関わる環境において、また心身ともに弱っている方との応対や個人情報等の取り扱いなどを明確な学習内容とさらに到達基準を設けて行う必要がある。
事後教育では、実習では、失敗やストレスも感じる場面が多く想定されることから、これらの経験を振り返り、どう対処するかという検討を行うことができるよう学習するシステムにする。
想定される支援ツール
病院実習事前学習教材・評価基準(学生が実習に出す前に行う)
病院実習事後振り返り教材
【学生の受け入れ手順や実習中の学生指導・評価の留意点】
観点
病院側の実習生受け入れに関す理解を深めるとともに何らかのメリットが出せるように配慮し、継続的かつ組織的に体制を整備する。
病院実習を円滑に行うために、医療機関側の求める人物的資質と学生の性格の適性を十分な両者からのヒアリング等を行い、保護者を含めた合意形成をとる手順に留意する。
学生の実習期間中も学校の教育プログラムとして行っていることから、常に緊急時の連絡が取れる体制とともに、日々の学びを共有し、精神的なケアもできるシステムを用意する。
評価には、両者の合意プロセスをとることとして、その上で、学生の成長を期待するよう明確な学習課題が学生に伝えることができる評価方法と指導方法を作る。
想定される支援ツール
病院実習生受け入れ募集関連書類・チェックシート
事前課題確認書・チェックシート
学習ステップ確認書・チェックシート
実習生受け入れ選考関連書類・チェックシート
受け入れ期間中の状況把握関連シート
学習プロセス確認書
学習成果評価シート(「実習中の学生指導・評価」における病院側の観点)