平成30年度「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」
医療事務における効果的な連携事業を行うためのガイドラインを作成
産業界と連携した教育を実施する上での課題

本事業を行う以前から産業界と連携する上での課題

  • 医療事務分野のデュアル教育は、職場体験として学校側から学習課題の提示がなく、多くの場合は医療機関に依存する形で実施され、病院側のメリットや学生対応についての明確な目的・目標を共有することが出来ていなかった。
  • 医院、クリニック、歯科、調剤薬局等の中小規模の医療機関において、受け入れや指導の体制が整備出来ていないことで、実習による学習が計画的かつ体系的に行われていなかった。
  • こうした事が原因となり、病院側の学生受け入れに対するモチベーションを向上出来なことや、実習終了後の学生の学習深度にバラつきがあることや、医療事務職に対する不安や不満を持ったまま実習を終了するケースが見受けられた。

本事業を行うことで見えてきた課題

  • 医療事務職者を育成するという観点において、カリキュラム全体の中に経験学習を組み込む意味や効果的利用方法が不明瞭であり、病院実習(事前学習→実習中→事後学習)を組み込んだ体系的な教育設計が出来ていないことが明確となった。また、行動・態度領域としての学習課題に対する実務的自己評価を事後学習に結びつけるための評価ができていないことも明確となった。
  • 特に中長期で実施される病院実習について、目標を達成するための学習項目が整理できず、体系的な教育設計が出来ていないため、学習効果が上がらず、医療事務職に対する達成感を持ったり、モチベーションが向上しないケースも見受けられる。
  • 病院側のメリットについて明確に示すことが出来ないことから、従来のように病院側の負担のない実習対応を依頼することが多く、教育目標を学校側が主体的に提示できないことが明らかとなった。
  • 地域により連携体制の整備に関する差が大きく、就職活動の一環としての実習が中心で、連携して人材育成をするための体制作りの視点が、地方の受け入れ先の少ない地域では低い。